いえづくり
それぞれ特徴や考え方がありますが、ここではエクリュが考える『いえづくり』のお話をします。
いつもエクリュに来ていただいたお客様にはお話しするのですが、
『エクリュのお仕事は家を建てることではありません』
『お客様が家を建てられるお手伝いをさせていただくのがお仕事です』
『家を建てられるのはお客様です』
そう、お話します。
つまり、エクリュでお家を建てていただく時はお客様の参加無しにいえづくりはありえないってことなんです。
参加と言うよりはむしろイニシアチヴをとっていただくぐらいの意味合いがあります。
エクリュはデザイナーが家を設計します。
『デザイン』という言葉の意味は間違えて使われていることが多いので、少しだけデザインの本当の意味をお話します。
デザインは3つの要素があり、それを全て満たしてこそいいデザインといえます。
これはデザイン概論という学問に記されています。
では、3つの要素とは何か?
1. ニーズ(要望)
2. 機能
3. 美
この3つの要素が全てそろってデザインといいます。
単に美しいものはそれはデザインではなく芸術作品や他のものです。
なぜ、デザインの話をしたかと言うと、エクリュはデザイナーが設計をするからです。
では、その意味はどういったことなんでしょうか?
デザイナーはデザインをする人なのは言うまでもないですが、デザインは先ほどお話した3つの要素から成ります。
デザイナーというと、普通の人とは違ってお洒落な感じで、自己主張があって、、、ってご想像される方も少なくないのですが、実はデザインという仕事は自己主張を抑えて、お客様の顕在的ニーズをお聞きしながら、潜在的ニーズを引き出すことが最も重要な仕事のひとつなのです。
『デザイナーに頼めば、いい家が出来る』と思うのは大きな間違いです。
デザイナーとは翻訳の仕事に似ています。
例えば、アメリカの作家さんが日本人に伝えたいことがあって、でも、日本語が出来ない。。。
そこで、翻訳家さんにお願いして日本語で本を作成していく。
その本の伝えたい内容はそのアメリカの作家さんにあり、日本語でどの言葉にすればその伝えたいことが伝わるのかを翻訳家さんが考える。
翻訳家さんの仕事はまさにデザインです。
『いえづくり』に置き換えてお話しすると。。。
住みたい家のイメージや暮らしのイメージを何となく持たれているお客様。
でも、具体的にどうしたらイメージする暮らしが出来るのかが解りにくかったり、やりたいことが沢山あってまとまりが自分でも付かない。
そんな時、建築デザイナーさんにお願いをすると、頭に渦巻くイメージの断片を具現化してくれたり、本当に欲しかったものを気付かせてくれたりする。
これがデザインです。
つまり、いえづくりの発想の源は全てお客様の中にあります。
建築デザイナーの中には何もありません。(何も無い方が本来のデザイナー)
だからお客様の参加無しに『いえづくり』は有り得ないと最初にお話をします。
これがエクリュが考える『いえづくり』です。
by ecru-societe | 2006-10-04 10:44 | 日記 | Trackback | Comments(0)